銀座『小笹寿し』/女性的/ 隠れミシュラン店/癒し系
昨日の新橋『しみづ』に引き続き本物の江戸前鮨です。
Dear 食べログ事務局
最寄り駅は「銀座」にして差し上げましょーよー。
これは僕がオーナーでしたらやり切れないです。
孤高のグルメ⭐︎
古いビルとビルの合間を通って辿り着く、昔ながらの銀座テナントで、ビルの建て替えが進む中、どんどんこういった物件が無くなっています。
そもそも銀座から丸源ビルが総てなくなったらどうなるのでしょうか?
あの脱税でついに捕まった丸源の80歳前後のオーナーは国や政府眼線では最悪ですが、銀座眼線では銀座の必要悪のような存在で、色々と助けられた店舗オーナーも多いです。
ビルの老朽化とあの丸源オーナーの凋落が、今後の銀座街の先行きを暗示しているのかもしれません。。。
銀座『小笹寿し』、最寄駅を"新橋"ではなく、"銀座"にしてあげましょーよー。
こちらではランチに握りのお任せで食べて飲んで税込20,000-22,000円/人位。
久しぶりなので少しドキドキしましたが、お値段変わらずでした。
新橋『しみづ』といい、銀座『小笹寿し』といい、ほんと「粋(いき)」ですねー。
銀座『小笹寿し』は、下北沢『小笹寿し』で修行されていた寺嶋氏が現在の親方として1995-1996年頃に戻られて、現在進行形で腕を振るわれています。
・江戸前鮨が好き、でも「酸」が強いのは苦手
・江戸前鮨には興味がある、でも緊張する雰囲気は苦手
・江戸前鮨は好き、でも時間を気にせずゆっくり食べたい
そんなニーズに応える場合に私は新橋『しみづ』ではなく、こちらのお店を利用してます。
酢飯(シャリ)は赤酢ではなく米酢でキツ過ぎず、米粒は形を残しつつも柔らかくしっとりしているので、同じ江戸前鮨というジャンルとはいえど、新橋『しみづ』を男性的、銀座『小笹寿し』を女性的と表現されることが多いです。
よく勘違いされていらっしゃる方が多いんですが、「鮨」と「寿司」は別物ですし、江戸前鮨と他の鮨は全然違います。
私は銀座鮨で育った古典フレンチ好きグルメンなので江戸前鮨が大好きですが、それはあくまで「好み」であって、そこに優劣はありません。
お鮨は東北でも色々ありますし、京都や大阪でも異なります。ましてや九州ならこれまたさらに違います。
これらの違いは優劣ではなく、『文化』の違いです。
最近はどこでも美味しい江戸前鮨を頂けるようになりましたけどね。
で、2000年に入って以降は、ミシュランなどの世界的グルメ評価を意識して江戸前鮨などの良いとこ取りをしたハイブリッドで美味しい鮨屋が増えました。
それもそれで良し。
ただ、じゃーそれらが本物の江戸前鮨か?といわれるとそれは違いますよーっていう話なだけです。
新橋『しみづ』でも申し上げましたが、江戸前鮨というものを皆さんはどう定義付けされていらっしゃいますか?
「歴史あるお鮨屋?」
「赤酢を使った酢飯?」
「羽田沖で取れた魚だけを使うお店?」
成る程、うん×2、残念、半分正解半分不正解です。
Wordからでしたらそれで正解なんでしょうけどね、それだけじゃーないんです。
本物の江戸前鮨って、
本物の江戸前鮨
= 江戸前ネタ×江戸前の「仕事」 ×粋(いき)
なんですね。
この最初の2つは今の美味しい鮨屋はどこも大なり小なりやってらっしゃいます。
じゃー、その粋(いき)はどうやって感じますか?
親方の威勢の良い掛け声?
勢いのある握り?
時々オマケしてくれるから?
「てやんでいっ!」っていえばいいの?
違うでしょー、「粋(いき)」っていうのは親方やお店の「生き様/Style」でしょー。
銀座『小笹寿し』は握りのお任せで14,000-15,000円/人。
お酒1-2合頂いても17,000-18,000円/人程です。
銀座8丁目で、ですよ?
今はまもなく令和4年で、ですよ?
しかもよく管理されたたおやかな白木のカウンターで、草食系の優しいスタッフや親方方に囲まれて、客層も皆さん流行り廃りな流されないこれまた草食系富裕層ばかり。
提供される鮨ネタは確かな江戸前鮨の「仕事」がされています。
しかも時間制限もありません。
なので物事の本質的な価値を理解できる方でしたら、老若男女どんな方でも安心してお連れできるんですよねー。
こちらの握り鮨は基本的に総て酢飯(シャリ)とバランスが合っていて一定水準以上美味しいのですが、この日の当たりは
・コハダ2種(車海老のおぼろありと無しのパターン)
・カスゴ(春子/春日)
・しめ鯖
・赤貝
・煮蛤
・酒蒸し鮑(海苔無し)
・カワハギ
・穴子
小笹寿しのヒラメや白キスの昆布締めも昆布の浸透加減が良いので好きなんですけどね。
私はこちらに伺う際は、コハダは"おぼろ無し"を2コで、蒸し鮑や雲丹は"海苔無し"でお願いしています。カワハギも油断するとすぐにポン酢が勝ち過ぎるので一滴だけ。
穴子も柚子無しでオーダーしてます。
若造が生意気ですよねー、スミマセン汗(ノД`)
小肌(コハダ)は初夏のシンコから秋冬までの皮の柔らかい時期が最高ですよね。春先になると小肌(コハダ)は産卵で皮が硬くなるので私は頂きません。
カスゴ自体の美味しさは四ツ谷『すし匠』レベル。
四ツ谷『すし匠』も赤坂『すし匠 さいとう』も、あそこは酢飯(シャリ)が美味しくなくて、鮨ネタとのバランスが悪いので余程のことがない限り伺いませんが、特に四ツ谷『すし匠』は鮨ネタの処理はとても良いんですよねー。赤坂『すし匠 さいとう』はツマミがとても美味しいですが、鮨屋としては近年の両店は総じて2流。
あと夜の街での遊び方が下品!
伝わってますよー。
食べログで「鮨」の非グルメン、「和食」の非グルメンを探すのは簡単です。
まず最初に、「鮨」ジャンルでは四ツ谷『すし匠』や赤坂『すし匠 さいとう』を絶賛するレビュアーを除外すれば良いです。次に「和食」ジャンルでは銀座『しのはら』を絶賛するをレビュアーを除外すれば良いのです。
そこで大きなふるいにかけて、そこから本格的に本物レビュアーを探すのをスタートすれば良いのです。
ジャンル分けしてますが、基本的に味覚嗅覚良くて、自分でも一定水準以上料理をやって、料理の各地域の特性なども理解していれば、どんなジャンルだろうと関係ないんですけどね。
〜常連のお客様にゆっくりしてもらいたい、今のままで充分だからミシュランは必要ないんです〜
〜少しはしますが、他みたいに意味もなく一気に値上げしてもね、江戸前鮨ってもっと気楽なもんでしょ?〜
なんて、格好良い人生の大先輩にはにかんで言われたら、同性でもキュン死しちゃいますって。
新橋『しみづ』と銀座『小笹寿し』はお互いの直接的な交流こそありませんが、お互いがお互いに敬意を払って江戸前鮨を守るお店という価値観を共有していて、小笹寿しでは優しい酸味と甘めの酢飯(シャリ)で差別化してます。
しめ鯖の一体感も昨日の新橋『しみづ』とはまた違って女性的でとてもバランス良いです。
赤貝もしっかりグルタミン酸の味がして美味しいです。
美味しい赤貝は昆布と同じグルタミン酸の味がしますよね。適切な塩分との化学反応でしかこうはなりません。
塩加減が上手な証拠。
ちなみにこちらのお店の赤貝は塩洗い塩揉みの塩分だけを残すやり方です。
煮蛤は最後の最後まで二枚貝の堪らない旨味で、ぬる燗の日本酒とよく合います、ぎゃー旨い、、、。
酒蒸し鮑は生意気にも海苔無しにして頂きますが、それで充分!厚みや飾り包丁/酢飯(シャリ)とのバランス最高で、三重『ラ・メール』に行く回数が減ります。
カワハギはポン酢一滴でお願いすると完璧です。
穴子もよく骨抜きされて雉焼きの穴子をたっぷり。
もう本マグロや柚子や黒トリュフは飽きました。。。
優しく美味しいなー。
私は赤酢バリバリの新橋『しみづ』や銀座『次郎』のような握り鮨が大好きですが、こういった女性的なお鮨が好きな方の気持ちも理解できます。
二番手の方も優しくて素敵な熟練の握り手ですし、会話したい方にはこちらの方の方が良いかもしれません、親方は癒し系シャイなので(笑)。
ほんとカウンターやお店の方々や来店者達からマイナスイオンでも発生しているんじゃないかと思うほど、癒される空間で、疲れ気味でお鮨を食べたいときに特に伺いたくなるお店の最有力候補。
変に小銭持った大して味覚嗅覚鋭くないのに『味』でしか料理の『味』を判断できない自分の欲が原因で数年で消えていく職業不定の来店者達がいないのも良いです。
物価高もあったとはいえ、都内の和食やお鮨屋が一斉値上げに踏み切ってミシュランを目指したときに、新橋『しみづ』と銀座『小笹寿し』と他の数店は踏みとどまって下さり、そしてその中で変わらない美味い江戸前鮨を我々に提供してくださっているわけです。
お金をお支払いするのは我々ですが、本当は総ての飲食店がそうだとはいえ、やはり我々はお店側に食べさせてもらっているんだなと再認識できる希少なお店の一つです。
さて、江戸前鮨は特に今からが『旬』です。
男性女性関係なく、本質的な価値を理解できるグルメンでしたら、お一人様でもデートでも、お鮨好きの方の方との会食利用(2名利用)でお勧めです。
あ、デート利用とはいえ、こちらのお店は既にご自分が何度か伺っている上でのお誘いか、2人共初見の場合は初デート利用ではなく、既に親しくなった異性とのデート利用にお勧めです。ご夫婦でしたら初見でどーぞ。
うん、そうだ、今日も気分良いのでこのまま帰宅して、樽香少なめの15年物の美味しいムルソーを空けようっと!
古き良き本物の江戸前鮨に2日連続で乾杯です♬
どう見てもミシュラン星レベル。
「私はこういうお鮨屋が1番好きです!」っていう、自分の眼と舌で判断できるグルメンなお鮨好きがもっと食べログ上にいてもいいんですけどねー。
1人の社会人として、男性として、心より尊敬申し上げます。
※写真撮るの忘れたため、何種類かは同伴者の鮨です(笑)
※日本酒などのお酒は普通です。
※ランチタイム長いのでいつもダメ元でも急な予約頑張る価値ありです。
※時間制限ありません。
※下北沢『小笹寿し』も良いです。
※お酒は普通です。清酒のぬる燗で愉しみましょー。
※普段は銀座『次郎』『いわ』『よしたけ』『かねさか本店』新橋『しみづ』あたりをウロウロしてます。

