蒲田『初音鮨』が人気な理由/旨味やインパクト重視

海外の方や普段から濃い味脂身たっぷりのお味が好きな、食べ物の歴史やルーツや引き算の美学云々など、大半の方々から見ればどうでも良い事をあれこれ考えずに直感的に美味しい食べ物を召し上がる方にとても好まれるお鮨屋です。

同業者やいわゆる鮨通からは首を傾げられようとも、こちらのご夫婦は徹底的に素人のとにかく美味しいお料理を食べたいお客達に寛いで楽しんでもらうことを目的にしているのでそれで良いんですよね。

なので、静かにお鮨を食事することに抵抗がある海外観光客も大喜び。

『価値観の違い』というものです。

味も旨味がはっきりしていて写真を撮る時間もあり、確かに特に海外の方々には喜ばれるでしょう。

彼等からしたら都心の緊張感のある静かな有名鮨屋は『禅の修行?』みたいにも捉えられがちだからです。

鮨通とカテゴライズされる方々はゆっくり静かに時々お店のご主人やカウンターのその他のお客さんと会話しながら頂くのが好きですよね。

私もその自覚こそありませんが、帰納法的に結論づけるとどうやらそちら側の人間です(笑)

だからといって自分がどちら側にいるから偉いというようなことではないと思います。世の中は色々な方々で成り立っているからです。

こちらのお店が2009年から取得し続けているいるミシュラン星がそれを語っているわけです。

ラーメンもそうですが、フランス人は白トリュフが好きですよね。極上白トリュフの大半はイタリア産なのにその点だけは目をつぷってイタリアを称賛します。私も何度か11月にアルバ(イタリア)で白トリュフ三昧の生活を送っていますが、確かに白トリュフにはそれだけの魅力があります。ただ、どんな料理にも白トリュフが入っていると良いという考えに陥るのならそれは問題です。

本マグロ→大間産(青森)
鰤(ぶり)→氷見産(富山)
鮃(ひらめ)→ 豊後水道産(大分県/昔は常磐ものも)

の握り鮨を頂いて、大間と戸井が実際海を挟んでどれだけ近いかも知らずに大間産と聞いて味覚が2-3割UPされる方ならなおさらこういうお店がお好きかと思います。

こちらの名物の一つ、大トロを漬けにして炙った一品が鮨ネタの下ではなく、上に本わさびを乗せているのがその証査。ここにこちらのお店のスタンスが総て集約されているのではないでしょうか?

こちらのお店では、握り鮨を口に入れる際に横もしくはひっくり返してちゃんもネタから頂く方が皆無だというこです。美味しい握り鮨は舌の上で

鮨ネタ→シャリ

の順に味わうように構成されています。

つまり口に入れる際に食べ手がそう調整する必要があるのです。ただ、心優しき達観した御主人はそれを指摘はせず、ただ、来店者達に合わせて最善の道を提示しています。

通常脂身の乗った鮨ネタには醤油は浸透しにくいです。
そのためフレンチでしたら一旦表面を炙って水分を抜いて醤油が乗り易くします。

ただこちらのお店は魚が普段泳いでいる海水の温度が32度前後ということで、その温度まで加熱した大トロを上述したように調理して握るわけです。もし料理を科学的(理りを料る)ものだとするのなら、科学的には意味のない行為が散見されますが、自分で料理をしない詳しくない方々にとってはパフォーマンスとしては抜群です。

私は本鮪は赤身や中トロが好きですし、鮃(ひらめ)は2-3kgのモノを寝かしたり熟成させたりしたのが好きですし、青魚は産地よりもネタの鮮度や季節を酢飯とのバランスを感じながら重視します。

ただ、どんなジャンルでも、そして特に飲食店では、プロダクトアウトの精神で良いモノ正しいモノを創り続ければ良いというわけではないことを痛切に教えてくれるお店の一つです。

そういう視点で見ればとても価値あるお店だと思います。
もしかしたら飲食業界の方ほどこちらのようかお店に伺うほうが良いのかもしれません。

素人目線としては、居酒屋や中華しかない食の砂漠-蒲田というエリアによくここまで外部から人を引っ張ってきて税金を納めているといます。

冒頭で申し上げたような価値観の友人や女性とのデートに、もしくは海外観光客の接待に。

※出された握り鮨を口に入れる際に横にしたりひっくり返したりせずそのまま酢飯を下に入れる方や焼き肉でしたら好きな部位をカルビと即答したり、松坂牛などのステーキがお好きの方はこちらのお店が大好きだと思います。味覚が大らかな外国人受けは間違いないです。逆に、お肉よりも白身魚が好きで牛肉を食べるのならヒレやタンが好きという方には合わないと思います。

※初音鮨がお好きな方は北九州『照寿司』もお好きだと思います。